コットンとマーガレット(挿絵入りました)

Posted by ema-sque on 21.2013 1 comments
入江くん、琴子ちゃん結婚記念日おめでとうございます♪

というわけで、結婚記念日お題、一つ提出いたします。

相変わらずの漫画のプロット崩れの駄文なので、そんな物でもOKな方だけ続きにお進みください。








コットンとマーガレット



「ほらっ、いっ入江くん~っ。早く早く!」

琴子は斗南病院から大通りまで一生懸命走っていた。

「もーいいって走んなくても」

俺は遠くから普通に歩きながら返事をした。
今日は結婚二周年でおふくろは大がかりなパーティを計画していたらしい。
が、当の本人たちにはこうやって普通の格好で夜の道を歩いている。

そもそも大がかりなパーティなんてめんどくさいだけだし、
また公衆の面前でいちゃいちゃしろといわれるだけだ。

―いや、公衆の面前で先月そんな事したな…―

独り、ばつが悪くなり天を仰いだ。
都会の明るさに負けない一等星だけがぽつんと光っていた。

走った道をまたもどってきて琴子は俺の腕を引っ張った。

「でも、せっかくお母さんがぁ。最後のご挨拶ぐらいはしようよ!」
「おまえ、そんな格好で飛天の間のステージであいさつできるか?」

琴子は止まって自らの格好を見まわした…。

「うぅ…だめだ…。あーーっきれいなドレス着てパーティ参加したかったなぁ~」

二人のすぐそばに自動販売機が明るさをたたえて立っていた。

少し甘いカフェオレと無糖ブラックの缶コーヒーを買って取り出した。
ひとつじゃなくてふたつ。
掌のあたたかさは缶コーヒーの熱さだけではなかった。

「ほら乾杯しようぜ」

琴子に手渡すとびっくりした顔で受け取って、缶コーヒーと俺の顔を交互に見た。

「え?ここで、これで?」
「そう、派手なパーティはもっと後でやればいいだろ?…2周年じゃなくて20周年とか。」

琴子は缶コーヒーで両手をあたためながら顔をあげた。

「結婚二周年は『綿婚式』とかいって、質素に祝うらしいしな。」

そう、昔読んだ記念日の本にそう書いてあった。いつまでも新婚生活に浮かれてないで
地に足を付けた生活を送るようにという意味だった。
だから生活に直結したものを送り合うようにしたんだろう。

「じゃ…その20周年の時はちゃんとドレス着てお祝いする?」
「そうだな、お前がどんなサイズになってるかわからないけど、そうするか。」
「ひっどーーい」

プルタブを引っ張ると、コーヒーの香りがほのかに香る。
お互いの缶を合わせる金属音を耳に、一口コーヒー飲む。

「これからもよろしくね。入江くん。」
「これからもよろしくな、奥さん。」
sashie.jpg



寒空の下のくちづけは互いの唇の温かさを交す儀式。
琴子の唇は甘いカフェオレの味がした。


























(と、ここで終わればいいのに。

入江くんってば。)




琴子は缶コーヒーを飲み終わると、俺を見上げて頬を赤くした。
「缶コーヒーも美味しいね。こうやって入江くんといっしょだと。」
「ん」
俺は残りのコーヒーを飲みほして、琴子の缶と一緒に自販機のゴミ箱に捨てた。
ブラックコーヒーなのに飲んでも飲んでも琴子の唇の甘いカフェオレの味が残ったままだ。

「手、つないでいい?」
「どうぞ」

手を差し出すと嬉しそうに手を絡めてきた。
そして歩調を合わせて歩き出す。今度はゆっくりと。

「おうちに帰ったら、謝らなきゃね。」
「ああ…」

そうか、うちに帰ると五月蠅いのがいるのか…。いや、もしかすると。
そうしているうちに公衆電話ボックスに行き当たり、琴子を外に残して受話器をあげた。
俺は親父の携帯電話の番号を押した。

「ん…わるかったよ。」
「あぁ、琴子の友達が切迫流産でそれに付き添ってたんだ。」
「で、そっか。じゃ、それはそのままで。俺達行くから。」

漏れ聞こえる会話に聞き耳を立てる琴子の百面相に噴きだすのを抑えながら、電話を切った。

「お、怒ってた?大丈夫だった?」
「理由話したら分かってくれたよ。とりあえず俺たちいなくても大盛況だったと。」

迫って話しかけてくる琴子の腕をつかんで、通りかかったタクシーを止めて乗り込んだ。
のんきな顔でニコニコと座席に収まった琴子を横眼で見ながら、タクシーの運転手に行く先を告げた。

「大日本ホテルの別館まで」

琴子はきょとんとして聞き返して来た。

「へ。成城に帰るんじゃないの?」
「二次会。場所とってあるんだってさ。折角だから行こうぜ。」




―そう、二人だけで2次会、なら悪くない。







(終)






あんなに派手に仲直りしたのに、琴子はそのあと理美の問題にかかりっきりで、
多分入江くん色々とおあずけだったようで(^^ゞ

何がコットンとマーガレットなんだーーーっという突っ込みは甘んじてお受けします。
後日、入江くんがプレゼントしたハンカチだとでも思ってくれれば。

スポンサーサイト
Category : November Party

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013.11.21 16:06 | | # [edit]


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

カレンダー

10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

カテゴリ

Re (6)

▲ top